home > ウミガメのスープ > 全てが見える男の幸福な最後
全てが見える男の幸福な最後
男にはあらゆる人の一生が見えた。
いつものように人の一生を見ていた男は、ある日を境に食事も睡眠もとらずに一生を見る事に没頭した。
見続けて2日目、男は立ち上がると世界一高い建造物のてっぺんから海に飛び込み、自らの一生を終えた。
落ちる時、男は笑っていたという。

なぜ男は一生を終えたのか?
 
 
解説(ネタバレ防止のため答えを知りたい方は反転して下さい)
男が見るのはあらゆる人の一生である。
それは既に亡くなった人もこれから生まれる人も同様。
ある日、とある人の未来を見ていると、閃光の後に砂嵐になった。
別の人も同時刻になると同様の結果となった。
やがて全世界の人が同時刻に同じ状況になる事を突き止めた。

男は悟る、それは人類の最後だった。
過去ばかり見ていた男はもう数日後に訪れる「それ」を前に、一度経験してみたかった紐なしバンジーをする事を思い立つ。
そうして、男は自らの死に方を選択できる唯一幸福な人となった。
 
 
 
inserted by FC2 system