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透明人間が見える男
「あそこにさ、透明人間がいるんだよ」
たまに彼はそんな事を言う。

始めは冗談だと思っていたが、場所関係なく真面目な顔をして話すその姿に
最近は信じるようになってきた。
触れようとすると逃げられ、絶対に捕まえられないのだそうだ。

最近、やつらの姿が特に多くなっているらしく、彼はおかしな事を言うようになった。
「もしかしたらアレは宇宙人なのかもしれない」
「人類は、地球は侵略されるのかもしれない」

そんなある日、彼は病院に運ばれた。
朝起きると目が見えなくなっていたらしい。

彼に何があったのだろう?
 
 
解説(ネタバレ防止のため答えを知りたい方は反転して下さい)
彼は飛蚊症という病気だった。
放っておくと失明するのだが、彼は飛蚊症を知らなかった。
目の中にあるゴミが、道端にうっすらと透明人間が動いているように感じられた。

突然ゴミの量が増えたのは宇宙人とは別の意味で危険のシグナルだった。
しかし彼は未知の恐怖から正しい判断ができず、治療が間に合わずに失明してしまった。
 
 
 
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